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Phaetonellus / ファエトネルス

モロッコを東西に走るアトラス山脈一帯は、多種多様なデボン紀の三葉虫が産出する世界的な一大産地として有名です。この地域のものは概して保存状態が良く、複眼や棘,突起が非常に発達したもの、複雑な形状や特異な形の部位を持つもの等、これまでに多くの人々を魅了してきました。化石産業が同国の重要な外貨獲得の手段の一つのため、三葉虫化石についても1990年代頃から次第に様々な種類のものが市場に出てくるようになりましたが、現在ではその当時と比べると化石を剖出する技術も格段に上がり、長く伸びる突起や1mm以下の棘を体全体に渡って立体的に完璧に剖出する職人も現れ、その人気に拍車を掛けています。なお、学術的にはここ10年ほど前からようやく地層の調査や種の記載が始まったところであり、それ故に現在も市場に出回る標本の種名には曖昧な点が多いことから、今後もしばらくの間は注意が必要な状況です。

Phaetonellus (ファエトネルス)は、Proetidae (プロエトゥス目)、Proetoidea (プロエトゥス超科)の中のTropidocoryphidae (トロピドコリフェ科)に属します。Cornuproetus (コルヌプロエトゥス)やDiademaproetus (ディアデマプロエトゥス)が同じ科の代表的な種類です。元々はチェコのデボン紀からのものに対しての属名ながら、最近見かけるのはもっぱらモロッコのデボン紀中期の地層からのものです。このモロッコ産のものは、前方こそCornuproetus (コルヌプロエトゥス)などと同じ風貌をしているものの、発達した胸部後方の肋棘と尾板後方の尾棘、そして胸部中央部には鋭い軸棘が並んでおり、2cm程度の大きくないサイズながらも非常に印象的な姿をしています。

Phaetonellus sp.
ファエトネルスの一種
【PHT-001】
デボン紀中期
Issoumour
Atlas Mountain region
詳細写真 Morocco
本体 : 縦1.8cm(直線測定) x 幅1.4cm
母岩 : 8cm x 8cm
価格 : ¥112,000 (税込¥120,960)
特記 : 世界最高の剖出職人であるハミー氏が手がけた稀少種トップクラスの標本です。
少し体を丸めた姿勢を定規で2cm程度ですので、この種としてごく平均的な大きさかと思います。胸部の真ん中付近で若干の体節の分離がありますが、すべてがナチュラルであり人工的な補填や着色の類いは一切ありません。現地一般工房からの剖出品では、胸部中央部の棘の痕跡が確認できる程度のものか、あるいはその部分に樹脂で作成された突起がついているものがほとんどの中、全ての胸部および尾板の中央の棘が揃っており、しかも何倍にも拡大した写真にも耐えうる品質でこの1mm程度以下の棘を剖出するという、ハミー氏ならではのこの種のものとして世界トップクラスの標本に仕上がっています。