Delgadella / デルガデラ
Delgadella (デルガデラ)は、Agnostida (アグノストゥス目)、Eodiscina (エオディスクス亜目)、Eodiscidae (エオディスクス科)に属します。この科で最も有名なものは、カナダ・バージェス頁岩からのPagetia (パゲティア)ではないでしょうか。その姿に代表されるように、前方を大きな縁のような線 (proparian sutures)で囲まれている頭部、2,3の節、そして頭部と同じような形状で、中央には節のようなセグメントを持つことが多い尾板で形成されています。眼がわずかに確認できる種類もいるために、三葉虫かどうかすら議論されることもあるAgnostida (アグノストゥス目)ではなく、Ptychopariida (プティコパリア目)に入れるべきとする意見すらあるようですが、今のところはAgnostida (アグノストゥス目)に分類されています。
シベリア東部を流れる大河Lena River/レナ川には、カンブリア紀に生成した150-300mクラスの崖が広がり、またカンブリア紀化石のラーゲルシュテッテ/ラーゲルシュテッテン(特に保存状態の良い化石を産する土地)としても世界的に有名であり、その重要性から2012年にユネスコ世界遺産に登録されました (Lena Pillars/レナ川の柱群)。この流域のSinsk village/シンスク村に近い場所には、カンブリア紀前期のBotomian stage (約5億2000万年前)の地層・Sinsk Formation/シンスク層が広がり、その中のBergeroniellus gurarii zoneと呼ばれる層準からは、最も初期の三葉虫が多種類産出します。Delgadella (デルガデラ)は、地球上で最も古い三葉虫のうちの一つであり、このシベリアでは、確認されている最も古い三葉虫であるProfallotaspis (プロファロタスピス)の次に位置する最古級の属となっています。D.lenaicus (デルガデラ レナイクス/レナイカス)がこの地からの種です。