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Pterygometopus /プテリゴメトプス、Estoniops /エストニオプス

Pterygometopus (プテリゴメトプス)およびEstoniops (エストニオプス)は、共にPhacopida (ファコプス目)の中の、Phacopina (ファコプス亜目)、Phacopoidea (ファコプス超科)、Pterygometopidae (プテリゴメトプス科)に属します。ロシア産オルドビス紀三葉虫のそのほとんどがAsaphida (アサフス目)であることを考えると、このPhacopida (ファコプス目)の種類は、この地ではどれも大変珍しい種類になります。もちろん、これらはPhacopida (ファコプス目)の最大の特徴である美しい複眼を持つ三葉虫です。

※ これらの種類は特に市場では混同が目立ち、実際同じような標本でも違う名前がついていることがしばしばあります。学術的においても、元々Pterygometopus (プテリゴメトプス)という名前で統一されていたものを近年見直す傾向にあり、Ingriops (イングリオプス)、Keilapyge (ケイラピゲ)、Calyptaulax (カリプタウラクス)などの名前が提唱されています。そのため、そのような異なる名前で市場に出て来ることもたまにありますが、実際のところ現地ではどれも同じような扱いがされています。なお、当店での標本の種名はあくまで各供給元からの情報によるものを採用しており、特にPterygometopus (プテリゴメトプス)とEstoniops (エストニオプス)の二つの属名は互いに入れ替わっていることがしばしばあります。

Estoniops sp. nov.
エストニオプスの未記載種
【EST-009】
オルドビス紀中期
Asery Level
Volkhov River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦1.9cm(直線測定) x 幅1.2cm
母岩 : 7.5cm x 7cm
価格 : ¥58,400 (税込¥64,240)
特記 : 小さな種類ながら他のエストニオプスやプテリゴメトプスとは明らかに違う未記載種の標本です。
母岩割れはありません。スポット的な補填はあるものの全体を通してほぼ無補填という感じの状態の良い個体です。この不思議な種類は既に15年ほど前にはいくつか取り扱いがありましたが、当時も今もやはり未記載である上に数も出ず、しかし三角っぽい頭に小さな尖った眼を持った小さな体は独特です。他のエストニオプスやプテリゴメトプスの複眼のある眼とも明らかに異なるため、将来的には違う属に当てられる可能性もあるでしょう。商業的採掘が定着してから25年以上経った今でも、かつ産出する層が最も主要なAsery層にも関わらず、このような未知に近いものが出てくること自体、この層からの三葉虫の多様性に脱帽です。
Estoniops panderi
エストニオプス パンデリ
【EST-008】
オルドビス紀中期
Asery Level
Vilopovitsy Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 幅1.9cm
SOLD 母岩 : -
価格 : ¥28,400 (税込¥31,240)
特記 : ちょうど平均的な大きさの個体が防御姿勢で完全に丸まっている標本です。
頭部左前方および左眼上にわずかに補填がありますがそれ以外にはなく、また地中での圧縮変形もほぼないため、防御姿勢で丸まった標本としては間違いなく上位クラスの品質です。この標本の特筆すべき点は何と言っても両眼の複眼のそのほとんどが保存剖出されているところです。平均的サイズの個体で、かつ複眼が残されている防御姿勢のこの種類のものとして、十分に決定版的標本になり得る良品です。
Estoniops exilis
エストニオプス エクシリス
【EST-007】
オルドビス紀後期
Kukruse Level
Alekseevka Quarry
詳細写真 near Kingisepp, Russia
本体 : 縦2cm(直線測定) x 幅1.1cm
母岩 : 4cm x 4cm
価格 : ¥72,300 (税込¥79,530)
特記 : 2016年シーズンより本格的に採掘が行われるようになった、通常より数段上の新しい地層からの種類です。
母岩の表面剥離の接着が頭部左付近にあり、その影響で左胸部端の最初の3節に割れ接着補填がわずかにあります。頭部の色の違いは外殻剥がれではなく鉱物ムラとのことです。胸部中央で体節に若干ずれがあるものの、全体としては大変保存状態が良く、加えて頭部裏まで剖出されているために唇の観察もできます。またこの小さな体にも関わらず両眼複眼も非常に丁寧に剖出されており、写真で拡大しても一つ一つのレンズがはっきり見えるほどのトップクラスの剖出となっています。このKukruse層では完体の三葉虫自体が非常に稀少ですが、この属に関してはこれまでの層においても産出量が大変少ない部類であったため、価格面ではそれほど大きな差異はないようです。もっとも大きさはこれまでの層のものと比べて2/3〜半分程度であり、やはりこの層においては全般的に体が小さい傾向が強いようです。