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Asaphus nieszkowskii / アサフス ニエズコウスキイ

2016年シーズンより、これまで採掘していた層よりも数段時代が新しいKukruse層をターゲットにした採掘が長期間行われるようになりました。Kukruse層 (CII)は、古い順にAsery層 (CIa)、Lasnamagi (CIb)、Uhaku層 (CIc)に続くこの地域のオルドビス紀後期の地層で、サンクトペテルブルグ西のエストニアとの国境に近いKingisepp (キンギセップ)近郊に主な採掘場所があります。これまでロシア・オルドビス紀三葉虫を多数生み出しているサンクトペテルブルグ周辺の採掘層とは時代を隔てているため、このKukruse層からはこれまで得ることのできなかった種類が産出するものの、基本的に完体の三葉虫を得ること自体が大変困難な環境であり、またサイズもほとんどが1-2cm程度の大きさと、これまでのロシア・オルドビス紀三葉虫のイメージには当てはめることのできないものとなっています。

Asaphus nieszkowskii (アサフス ニエズコウスキイ)は、F.Schmidt博士が当初から提唱していた種類で、数々の見直しがされた現在でも一定の有効性が認められています。Llandeilian後期からCaradocian前期にかけて産出されるとされており、そのためにAsery層からこのKukruse層辺りまで広くこの種名が使用される理由となっています。Kukruse層に関する最新の学術記事においてもこの種名が使用されており、供給元ならびにこのサイトでも今回この種名を使用しておりますが、実際には層準によりサイズ等大きな違いがあり、このKukruse層からのものは1-2cmというサイズのため、将来的には新しい種名が提唱される可能性もあるかもしれません。

Asaphus nieszkowskii
アサフス ニエズコウスキイ
【ANZ-002】
オルドビス紀後期
Kukruse Level
Alekseevka Quarry
詳細写真 Kingisepp District, Russia
本体 : 縦2.3cm(直線測定) x 幅1.5cm
SOLD 母岩 : 4cm x 5.5cm
価格 : ¥58,400 (税込¥64,240)
特記 : 通常より数段上の新しい地層から産出するアサフスの、なかなか見つからないという稀少な完体標本です。
ここ何年かで継続して採掘した結果、以前よりは数を見るようになったために価格は最初期より若干下がったものの、産出の頻度が変わった訳ではなく、未だに三葉虫の完体が採れること自体が非常に難しい地層です。この層では2cm以下のものがほとんどと、ロシア三葉虫としては非常に小さなサイズですが、世界的にみれば他のロシア三葉虫の巨大さが特別な訳で、特に世界中の三葉虫をお集めの方などはこの標本の実物を手にとっても小さいと感じる方は少ないかと思います。樹脂による埋めが頭部や胸部にわずかに確認できますが、あくまでこの2cmほどの個体を大きく拡大した写真上であり、無傷と言っても問題のない間違いなくトップクラスの品質です。